高校1年の頃セックスピストルズに憧れていた。
私が音楽や洋服を「本格的に」好きになったのは
そのころだったと思う。
そのころというのはストリート系・裏原系の全盛期で
ダボダボの腰パンにデカイTシャツといったいでたちが
流行っていたが、あまりにも似合わなかった。
スキニーパンツも当時は名前すら聞かなかったので
レディースのパンツを古着屋で買って穿いていた。
ピストルズの缶バッジを買って、ジャケットに付けていた。
髪をワックスで立てていた。
ウォレットチェーンやリングを付けていた。
まわり回って三十路になって思い返すと
あのころのファッションがイケてたんじゃないかと思うようになった。
良く考えたらセディショナリーズ、ヴィヴィアンウエストウッド、
マルコムマクラーレン、川久保玲=コムデギャルソン、
高橋盾=アンダーカバーはすべてパンクカルチャーを共有している。
私は川久保玲をデザイナーとして最も尊敬しているけれども
彼女の基幹にはかならずパンクマインドが根付いているし
私もこの展示を見てそうでありたいと思った。
パンクは反体制、アナーキー的な思想と親和性が高い。そこから自分のマインドの原基的な部分も生成されているのではないか、と再帰的に思い知った展示だった。