get ready(30代男の物欲と服ログ)

都内/三十代男性/既婚/会社員/メンズファッション/アウトドア/音楽/ミニマリズムなど

雨のザイテングラート① 2016年7月16-18日

f:id:remontea0710:20160718210848j:image

奥穂高岳を初めてみたのは小学一年生の時に家族で上高地へ行ったときだったろうか。あるいは中学一年生の旅行のときだったか。いずれにせよ上高地の河童橋から見えるあまりにも有名で美麗な山容とは裏腹に、遭難や滑落による死者を毎年生み出し続ける難攻不落の威容。自分が登ることは無いだろうと決めていた。

20代中盤から毎年、多かれ少なかれ着実に登山を繰り返し、登るごとに道具やスケジュールの見直しを図ってきた。何が足りなくて、何に満足したのかを毎回確認、吟味し、再選別をおこなうようになった。他方で滑落事例や北アルプスにまつわる歴史や文化を紐解くことで、より通時的に登山という営為を、捉え直した。生温いものではなく、より鋭いものとして。登山とは山に登ることだが、私にとっての登山とは己との戦いであり、自然との対話でもある。自分自身がいかに剥き出しの自然に畏敬の念を払いつつ共存出来るのかという行為。それは同時に自らのトレンドを意識的に取り入れ反映させる試行=思考実験でもある。ウルトラライトやクラシック回帰など、そのときの旬の自分のマインドと登山行為の繋留ないしは身体的運動と精神的活動の歯車のような連関。自然に日常を持ち込み、普段通りの振る舞いをすることが可能か?  前年度の槍ヶ岳登頂を糧に、そんな問いを持ちつつ、遂に奥穂高岳に挑んだ。登山計画書も早々に作り、気の知れた仲間3人での3年ぶりの山だ。
 
詳述はここでは避けて概略だけ書くと、二泊三日のテント泊で涸沢に二泊し、中日にテントにリュックを置いて、アタックザックという軽量リュックで奥穂高岳に登頂後、その奥に聳える前穂高岳まで進み、再び涸沢に戻るプランだった。初めての奥穂高なので涸沢から行く無難で慣れたルートを選択した。結果的に悪天候のためあと180メートルというところで断念し、穂高岳山荘から涸沢へ下山した。これはまさに英断であり、初めて滑落や遭難の恐怖を感じた瞬間だった。3,000メートルで視界ゼロの岩壁に突風が吹き荒ぶ様を初めて味わったからだ。行程については落ち着いたところで詳述するとして、ここでは反省点を先に列挙しておきたい。
 
反省点
◯眼鏡忘れる…忘れ物が殆どの反省だ。眼鏡は化粧道具セットに入れておいたのだが前日の夜に入れ忘れてしまった。コンタクトを外すと夜トイレがテント場から遠くにあり、何も見えず行動できなかったが、同行者Kさんが眼鏡だったので、お借りすることでこの問題はクリアできた。
◯ティッシュ…高度があり寒冷になりやすく鼻が出るのでポケットティッシュを買い忘れたのも痛かった。トイレットペーパー含め、紙系を持ってこなかったのも準備不足だ。同行者Oさんにお借りした。
◯除菌シート…いつも持ち歩く除菌シートを忘れて手が汚かった。コンタクトを入れたりデリケートな作業のみならず、トイレットペーパー的にコッヘルを拭くのにも使えるのでやはりあると便利。
◯保湿クリーム…キールズのクリームないしはシアバターを持っていけば良かった。実際、日本最高峰の山の中では紫外線を倍以上浴びることになる。日焼け止めの持参は当然として、夜になって火照ってきたときに、肌へのダメージのアフターケアが必要だと感じた。そうでもしないと、翌日鼻の頭や頬が赤くなった酔っ払いのエロジジイみたいな風貌になって、どうにも救いようがない。1日の肌の酷使を労わることをせねばならないだろう。
◯リップクリーム…あと唇も紫外線の餌食になるので、プルプルの唇ではなくカッサカサのボロボロ唇に変質する可能性があるので、UVリップクリームもあるといい。日焼け止めで良いのかもしれないが。レディーには必須だろう。
◯ヘッドライトの電池…3年使っていて光量がスッカスカで頼りなさすぎた。新品の単四電池を持っていくか、登山の前に補填しておくべき。
◯ガス…プリムスのウルトラバーナーと250Tというガスを使用しているが、ガスを間違えてスッカスカのものを持ってきてしまい、2回ほどお湯を沸かしただけで終わってしまった。充填されているか否か確認せねばならない。
◯常備薬…鼻が出てやや風邪っぽい感じがしたので葛根湯を用意して飲んだ。頭痛のためのバファリンや腰痛や筋肉痛のための湿布もあるに越したことはない。
◯現金…1万円ちょっと持って行ったが、飲み物や食事やヘルメットのレンタルなどで3日でほぼ使い果たした。次は2万円以上は持っていく必要がある。無駄な心配は避けておくべき。
◯速乾タオル…豪雨の中の登山で、山頂付近の小屋およびテント内での雨水の処理がストレスだった。濡れたものを拭く手拭いがびしょ濡れで、外も雨なので乾く気配がない。ささっと気楽にふけて直ぐ乾くような軽量速乾タオルはいつも持っておくべき。
◯記録ノート…記録係Kくんに任せきりだったのでノートにはあまり記入出来なかった。その代わりiPhoneメモに残した
◯テント内での道具管理…リュックをテントの中でバラバラにすると、「あれがないこれがない」状態になってストレスが溜まる。スタッフバックで大まかにリュック内は整理されてはいるが、細々したものは整理不足、あるいは出しっ放しが原因でなくなりがち。ポケットに無闇に入れず、初めに設定してポーチなりスタッフバックに使ったら戻すという整理の基本をより徹底化する。
 
など。具体的行程は整理しつつ後ほど書いてみたい。とにかく安全に帰ってこれて良かった。