get ready(30代男の物欲と服ログ)

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オッサン世代の若者への欲望の投射について

Ceroとシールズは似ている。

オッサン世代の欲望の投射という点において。
東浩紀がいみじくも指摘したように、シールズは実質的に旧来的な左翼おじさんの欲望を叶えてくれる若者の鏡として要請された。旧左翼や全共闘で盛り上がった団塊おじさんたちは「今の若者は政治に関心を持たない。わしが若かったころはマルクスを読みウェーバーのプロ倫を読み…」などという御託を並べ、自分達の青春時代を回顧する。なるほどシールズの切実で精悍な奥田さんたちのまなざしはおじさんにたちにはキラキラ輝いたものにみえただろう。
奥田さんはストリート系のこざっぱりした好青年で清潔感もある。彼が長髪で髭だらけのヒッピールンペン風のPEACE系だったらまた、おじさんの評価は違ったのかもしれない。
CEROも同じ構造ではないかと。CEROは昔のニューミュージックやブラックミュージックから渋谷系を独自に咀嚼してシティーポップを新たに人口に膾炙させた張本人。当時を懐かしむおじさんから高評価を得ている。見た目もシティ感満載なのだが、どちらかというと中央線沿線沿いの、西荻、高円寺、吉祥寺あたりの感じがするあたりもオッサン的には「ふむふむ」ポイントのひとつなのかもしれない。奥田さん同様清潔感もあり、「最近の若者は...」的に言われちゃうタトゥー、茶髪、腰パン的なネガティブポイントがない、どちらかというと優等生キャラっぽい感じもそそるのだろう。その点まだヒップホップはネガティブイメージが先行しているのかもしれない。
見た目の判断はとても大きいのだと。自分たちが演奏したかったグルーヴ、コレだよコレ!感を醸し出す音楽。
 
きっと私も、そういうオッサンになっていくんだろうなあという意味も込めて。