get ready(30代男の物欲と服ログ)

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2019年秋冬における服について

最近、納得できる服が少ないことがわかった。

例えばバンドTシャツ。着ないとわからないが、安い生地で作られているため、生地が薄い。デザインは施されているものの、生地がデザインより下回っていると、やはり私は「生地ありき」と思ってしまう。よってバンドTシャツは慎重な吟味を伴う。

バンドTシャツだけでない。数多あるストリートブランドのボディはギルダンやフルーツやユナイテッドアスレだ。そこにロゴが載るだけで数倍の値段に膨れ上がる。そこでの価値はロゴなのであり、何のボディなのか、コットンの品種や製造過程、着心地が問われることはない。

 

シルエットについて。

そろそろビッグシルエットも落ち着いて、ジャストサイズに揺り戻しが来ると思う。数年前デムナのvetementを皮切りに雨後の筍の如くビッグシルエットが跋扈したことは懐かしくもある。

時に、私の好きなバンドでオウガユーアスホールというバンドがいる。彼らは世界の音楽的なトレンドとは別の場所で音楽を作っているが、知らぬ間にコナン・モカシンや幾何学模様などのアーティストと共振関係にある。服装もデビュー時から全く変わってない。

彼らをみていると、音楽にしても服にしても流行を追うことがいかに疲れを伴うのかがわかる。オウガは流行りを追う行為の愚昧さに陥ることなく、音楽制作に勤しんでいるように思われる。

服も音楽も消費の対象であるし、飽きられるスピードは驚くほど早い。

ちょっとしたリラックスシルエットで「今っぽさ」を出すのは良いけど、リラックスシルエットは「今っぽい」から着るのではなく、その快適さで着るものなのだろう。

おそらくけたたましく喧伝されてきたビッグシルエットも向こう数年で鳴りを潜めるだろう。バブアーやスメドレー、パラブーツのようなヘビーデューティー、オーセンティックカジュアルはまだ残り続けるだろう。AURALEEやCOMOLIもあと5年後、残り続けており、私も着続けているだろうか。

このブログで何度も何度も言っているように、完璧な服など存在しない。一生モノなんてないし、気分によって、流行によって持ち物が変わるのが世の常だ。

だからこそ、自分がいま3年以上使っている服は貴重であり、それだけは信じられる服だろう。それに近しいものを求めていけばいいのではないか。

そんなことを考えながら、深まる秋の服を今日も悩んでいる。