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村上春樹とイラストレーター - 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸 -@ちひろ美術館東京

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村上春樹好きと言ってしまうとミーハーだったり痛いやつだったりする風潮がありますが、それでもやはり何度も何度も繰り返し読んでる作家は春樹だけな気がします。結局長編・短編のみならずインタビュー集、旅行記、「ビール会社の作るウーロン茶」であるエッセイなどなど、ところ構わず読んできたような気がします。結局大好きなんだなと思います。。私のみならず、数少ない周りの友人も春樹好きが多く。。話していても皆完全に「春樹サイコー!」という訳でもなく、都会的でスカした描写を面白おかしく話したり、それぞれの好きな小説を聴いたりするのが好きです。

そんな春樹作品に欠かせない表紙をずっと手掛けてきた4名の展示をみてきました。展示内容は以下の通り。

村上春樹とイラストレーターをテーマにした初の展覧会

 

現代日本を代表する小説家のひとり、村上春樹(1949-)は、さまざまなイラストレーターと共作をしています。本展では、これまで、それぞれの文脈で語られてきた文学とイラストレーション相互の関係に焦点をあて、村上春樹と佐々木マキ(1946-)、大橋歩(1940-)、和田誠(1936-)、安西水丸(1942-2014)とのコラボレーションを紹介します。小説、エッセイ、翻訳、絵本など多岐にわたるジャンルで書かれた村上の文章は、それぞれ異なる表情をまといながら、鍛え抜かれた文体に支えられています。4 人のイラストレーターも作品に合わせて画材や技法を変えながら独自の画風で対峙しています。文章を支える文体、絵を支える画風にも着目し、相乗効果によって現れる豊かな世界を紹介します。

 

 

西武新宿線に揺られ上井草に降り、徒歩7分。ひっそりした住宅街にたたずむ「ちひろ美術館」。安曇野ちひろ美術館でいわさきちひろは何度か見たので、今回は4名の作品のみ鑑賞。個人的に佐々木マキさんの『羊をめぐる冒険』が見れて感動しました。『羊~』は、春樹作品のなかでもほんとうに好きな作品。いつか北海道に行って「いるかホテル」に泊まりながら羊探して不吉なカーブを曲がりながら山小屋に泊まり料理を作ったり小屋の外をランニングしてみたいと思うのは私だけじゃないはず。。春樹について語ることはもはや手垢にまみれまくっていてガチガチの外殻があるようで憚られますが、『羊』でようやく春樹のモチーフである「現実」と「非現実」の往還あるいは「得体のしれない闇」の象徴として「羊」が登場します。それがやみくろだったり、ワタヤノボルだったり。このころの春樹作品はとにかく羊がよく登場するなあと思います。それを印象的に描き続けたのが佐々木マキさんでした。

 

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この絵、物語の本質を比喩的に表現した作品で、佐々木さん自身も一番気に入ってらっしゃるとのことでした。

同じ展示室には、銅版画で独自の洒脱な世界をうみだしている大橋歩さんの作品が飾ってありました。『村上ラジオ』という『アンアン』で春樹が書いてるエッセイに寄せた小品が並べられていました。とてもかわいかったし、コムデギャルソンとコラボしたTシャツも置いてありました。欲しいな。。

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そして和田誠さん、安西水丸さんの展示室には、ジャズがかかっていて、また違う空間。『ポートレートインジャズ』ですね。オスカーピーターソンの話が好きです。和田さんの作品は確か新宿のジャズ喫茶『DUG』にも掛かっていた気がしますが、絶妙な力の抜け具合と都会的な洗練さが素晴らしかったです。特に『中国行きのスローボート』の作品が好きです。曲も大好きなんですけど、この絵は飾りたいなあ。

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安西さんも春樹作品には欠かせない人物ですね。これも大好きな短編集。特に『午後の最後の芝生』。

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春樹の顔もほんとうにそっくりというか。春樹といえばこの絵ですね。

 

あまり上手に書けないのですが、もう一回行きたいなあと思ってしまう素敵な展覧会でした。都心から離れて、ゆったり時間が流れているちひろ美術館で見れるという体験も、素敵だと思います。

詳細は以下の通り。4人が勢ぞろいすることはなかなかないとのことなので、春樹好きな方は多かれ少なかれ行く価値はあると思います。

 

<企画展>村上春樹とイラストレーター- 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸 - | ちひろ美術館・東京