get ready(30代男の物欲と服ログ)

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ディオールオムとギャル男

10年以上前、ちょうど2005年前後にエディスリマンのディオールオムが爆発したとき、雨後の筍のように日本でもパクリブランドが多発した。そしてそれらのブランドの作る服は、10年の時を経たいま、全く時代から取り残されている感さえ感じる。

ちなみにファッションとカルチャーの関係性については日本では恐らく最もこの本が詳しい。

 

たとえばpledgeというブランドはナンバーナインにいた三浦さんという人がデザイナーで、明らかにカートコバーンのコスプレとディオールオムを掛け合わせ、年々細くなっていった。そして知らぬ間に姿を消していた。

アタッチメント、ラウンジリザードなどの古参は黒、細身を中心に、それをさらにモードにするとユリウス、ダイエットブッチャー、ガラアーベント、リチウムオムなどになった。

とにかく明らかにディオールオムの影響下にある上記ブランドは、エディの引退とともに徐々にオリジナリディを失っていったと思える。

さらにエディの作る服は、ディオールオムでもサンローラン でも、最終的にギャル男(もう死語かもしれないが…)に回収される問題がある。ガラアーベントなんかはもろ厨二感満載のギャル男かFF 8の主人公が来そうなイメージだったし、ロエン、ロアーというようなスワロフスキーでドクロを象るようなルシアンペラフィネ的なオラオラ系はまさにギャル男御用達ではなかっただろうか。

細身で繊細な服を好むのは、リバティーンズを尊敬するようなティーンエイジャーじゃない。金持ちかギャル男になってしまったのだ。

同じ条件はサンローラン にも言える。とにかくエディの服は一歩間違えばギャル男かホストが着る服なのだ。ギャル男未満であってもそれに類する襟足長くて茶髪でツンツン立ててる色白のお兄系ファッションに回収されるのだ…

アタッチメントやラウンジリザードもややオラオラ系に好まれる傾向があった。

今はどうか?

今で言えば三代目の影響下にあるオラオラ系はやはりサンローラン、バレンシアガ、ヴェトモン、オフホワイト、シュプリームなどを着てるのではないだろうか。

おそらく、コモリやオーラリーやヤエカあたりは間違ってもオラオラ系やギャル男は着ないだろう。その点においてコモリ周辺のブランドは安心できる。

金額が高いモードブランドを買える人のみがオシャレだという誤りは周知の事実だ。かくいう私もディオールオムに憧れてはいたものの、高くて買えずプレッジを買って欠乏を満たしていた。今や時代の流れはビッグシルエットやゆとりのあるファッションへと突入している。

エディスリマンはセリーヌでもきっと今までのと似たことをやってくるだろうし、ギャル男やオラオラ系がまたその頃買い占めるのだろう。

未来のギャル男に幸あれ。