この話は35才から40歳前後の服好き男性にはきっとわかってくれると思います。
さて、美容師の方とよくメンズファッションの話をします。こないだ散髪しに行った時は2008年ごろのメンズファッションについて笑いながら懐かしみました。
2008年といえば、2003年ごろ裏原ブームが終焉を迎え、2004年ごろから雑誌『チョキチョキ』により美容師ブームが到来し、その後の世代です。裏原ブームの終焉には、もちろんエディスリマンの登場=ディオールオムの支配下にあったことは忘れてはならないでしょう。
そして2006年。その頃の僕らといえば、まだ少しだけチョキチョキの影響下にあり、奈良裕也氏や馬場一馬氏にあこがれ、自分なりに訳の分からない古着やモードをミックスしてました。高校の頃のあこがれはコムデギャルソン、ヨージで、よく着ていたのはラッドミュージシャン。
それから2007年、私はThe StrokesやThe White Stripes、それ周辺のガレージロックを聴くようになります。エディのディオールオムも最盛期で、もっとも煌めきを放っていたように思います。それと呼応するように、ナンバーナインやアンダーカバー、Nハリウッドが日本でもメキメキと力を伸ばしていました。
特にナンバーナインは当時ロックテイストと絶妙なアメカジとモードのミックスで、「○○期」と語られるほどのカルト性を帯びていました。
07,08年あたりのルックはかっこよすぎて何度PCで眺めたかわからないほど。
その頃に流行ってたナイチチとインパクティスケリー。菅さんという方が度々メンノンのスナップに当時登場してたなぁ
僕たちはみんな長髪で緩いネックのTシャツを着てスキニーやブーツカットのデニムを履いていた。。
野口強氏の愛用していたNハリ517
これにNハリの霜降りパーカーにチャックテイラー…量産型メンノン系ファッションの鉄板でした。
とても細身です。
街中のおしゃれ好き男子はだいたい長髪でこの格好。霜降りパーカーは大学でもよく被るし、自分も2枚持ってました。
その後、ウェブマガジンのハニカムが流行り、ビズビムやソフなど藤原ヒロシ氏周辺の文脈が見直されたり、ノンネイティブや1LDKなどが流行りを見せ始めて中目黒が脚光を浴びる2010年代を迎えることになったと記憶しています。
やはりこのムーブメントの中核にあったナンバーナインが2009年に「解散」したのが、このファッションの衰退を決定づけたといっても過言ではないでしょう。同時期にエディスリマンもディオールオムを辞めています。
特に私はこの頃プレッジというブランドに心酔していて、デザイナーの三浦氏に憧れておりました。ナンバーナインから独立した方です。
ネルシャツに黒スキニーにスエードブーツという服装を大学の時真似しまくっていて、ほぼこういう格好でした。グランジとアメカジとエディスリマンの影響を色濃く感じる、土臭いスタイルは今で言うとノンネイティブに少し近いかもしれません。
美容師さんとこの話で盛り上がりまくって楽しかったので書いてしまいました。この頃のファッションを纏めているものがあれば、ぜひ読んでみたいと思います。
ちなみにこのbeams監修のムックは、年代ごとに象徴する服装とカルチャーがまとめられていて、とてもおすすめです。
13年前の服装ですが、やはり「時代性」というものを感じます。きっと今着てる服やシルエットも13年後には「時代だね」と言われるのでしょう。やはりファッションは移ろいゆくものだからこそ愛おしいし、楽しいです。