get ready(30代男の物欲と服ログ)

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スーツが着たい

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秋の気配を感じる今日この頃。ようやくジャケットやライダースやコートが着れる...早く着たくてウズウズしている方も多いのではないでしょうか。今日はスーツについて思うことを少しだけ。

男の服装を語る上でスーツだけは譲れない。男のファッションというかオシャレの最終段階はスーツだからだ。スーツスタイルは人類史上いまのところ最も完成されたスタイルなのであり、歴史がそれを物語っているなど言うまでもない。スーツとは西洋中心主義的であり…などの批判もあろうが一応スーツスタイルがもっとも人口に膾炙しているドレススタイルであることには論をまたないだろう...などと落合正勝的なことを語ってしまった。しかしジェームズボンドはいかなる時もジャケットを脱がず、クールにスーツを着こなすのだ。

ここでメンズノンノやスマートから、グラインド、ポパイ、ウオモなどカジュアル路線を愛読していた若者にとってスーツスタイルに手を出すということは、ある障壁に向かいあうことになる。

それはスーツスタイルを得意とするブランドや雑誌だ。メンズEXやGQ、レオンなどちょっとオジサンの匂いのする雑誌をペラペラとめくる。

ダンヒル、ゼニア、ボリオリ、ベルルッティ、ロロピアーナ、ブルネロクチネリ、、、なんだか峰竜太とかジローラモが着てそうな俺とは無縁なブランドが載っているじゃないか。いかにもイタリア系が多い。数年前に流行ったちょいワルおやじをひきずってそうな典型的なオジさんが好きそう…イタリア系はなんだかこっぱずかしい。イギリス系の方がしっくりくる。

そう、まだスーツスタイルに慣れきっていないと何が何だか判断ができない。

 

ただジャケット、シャツ、パンツが主だとしたらもはやその三つの要素の中にメンズの真髄があるともいえる。きわめてシンプルなカッティング、シルエット。それ以外の過剰なデザインは排斥されねばならない。そのかぎりにおいてアンダーカバーがいくらシルエットの良いジャケットを作ったところで、カッティングやジップや何かしら装飾の類が付いてしまう時点でスーツの体はなさない。カジュアルスーツと言えばいいのか。ジャケットだってその種類は幾多のものがあるにせよスーツは基本的に無駄をそぎ落とされたクラシックなものがかっこいい。

現代のクラシックを牽引しているトムフォードを筆頭に、ディオールオム、ランバン、プラダ、ジルサンダーなども非常に構築的でミニマルなスーツを常に出している。個人的にやはりランバンのルカが描くセクシーな男性像は憧れる。ディオールオムやランバンは、ジバンシィやバルマンなどの「オラオラ系」や「3代目系」的な不良的体裁を捨象し、あくまで知的なセクシーさを押し出していると思う。ジルサンダーもとてもレベルが高くて、ユニクロとコラボした時は歓喜したものだった。もうコラボは終了ということで、非常に残念でならない(ルメールよりもジルサンダーの方がカッコよかったと思う)。

スーツ(ジャケット)は着倒していかないと慣れないと言う。確かに就活生のスーツはなんだかやっぱりぎこちない。着ていくうちに、自分に合うスーツのフォルムやデザインがわかってくる。ラペルはノッチドなのかピークドなのか、ラペルの太さはどのくらいが良いのか、ゴージラインは低い方が良いのか、ベンツはセンターなのかサイドなのか、着丈はどの程度なのか、袖丈からどのくらいシャツが見えるのか...などなど。そのようなこだわりをもとに探求していくとやはりオーダーに到達するのだろう。

兎にも角にも、スーツはやっぱりかっこいい。