バッグ。アラフォー、アラフィフ男を悩ますのは薄毛や肥満だけでない。どのバッグをどのように持つのか。それが問題だ。私は休日、何でもないキャンバス地のトートバッグ(city lights book storeやsummitのもの)を飽きもせず使用してきた。サコッシュやウエストポーチ的なものもAetaなど所有しているが、どうも斜め掛けするときにシャツやTシャツが縒れて皺になるのが気に入らないようだ。リュックもギャルソンのものなど幾つか持っているが、旅行の時以外ほとんど使わない。
となると、どうしてもトートバッグやショルダーバッグになってしまう。一昨年購入したアナトミカとポーターのヘルメットバッグは自分に最高にフィットしていて今でも一番ヘビロテしているのだが、もう少し「アジ」が欲しい。味というのも、ヘルメットバッグがあまりにも安定的な、言わば全くコーディネートの邪魔をしないおかげで、「味変がしてえ」と思ってしまったからなのだ。思うにこの「味変がしてえ」というのは物欲の源泉だ。コートの丈の長さやシャツの色、Tシャツの生地、シルエット。俺のような物欲の権化みたいな存在にはひとつのバッグで我慢できるはずもない。一方でバッグなど要らん、男は黙って手ぶら一択、という思考もわかる。わかるが、俺は水分補給もしたいし、日傘も持ちたいし、サングラスも入れたいし、日焼け止めや頭痛薬や、クーラーで冷えた時に羽織るシャツも入れたい心配性オジサンなのだ。
kolor beaconのトートバッグは衝動買いだった。
持ち手部分の鮮やかなパープルが、カラーの代名詞。ロゴなんてどこにもないが、カラーのそれと分かる人にはわかる配色だ。
モノトーンが何か味気なく思い始めて数年が経つ。そしてHunter×Hunterよろしく、「黒は買わない」という「制約と誓約」を打ち立てたのだった(COMOLIのG8でその制約も破られたのだが)
お陰で、靴やベルト、Tシャツ意外で黒のアイテムはかなり減った。そのかわり、ネイビーやブラウンが増えた。パープルという色は、使う面積が多くなければ、ブラウンやネイビー、オリーブにも合うことに気づいた。あるいは同系色というか、混ざる前の色である赤や青にも合うし、レイカーズカラーでお馴染みのイエローにも合う。
赤、青、イエロー、オリーブ、そして当たり前だが無彩色の白黒にも行ける。たいていの場合行けた。
その色の対極を補色というらしい。
パープルの補色は緑、黄色。隣の色は赤と青。
なるほどレイカーズカラーは合理的というわけだ。
だとするとこのバッグのベースのグレーはどうだろうか。グレーも無彩色であり、たいていの色には合うだろう。ややもすれば地味になりがちだが、他を引き立たせてくれるベースカラーだ。
…と熱っぽく語ってみたものの、なんの変哲もないキャンバストートだ。そういえば、高校の頃紫のハイカットのコンバースオールスターが一番のお気に入りだった。ニューバランスの996も紫を買った。気付かないだけで、意外に好きなのかもしれない。
帰ってきても適当にネルソンベンチに放り投げる。秋冬はドレススタイルっぽい形が多くなると予想されるので、このバッグでカジュアルダウンも狙えるだろう。しかしながらこのバッグ、この盛夏に丁度良くもある。雑にガシガシ使っていきたい。
※Fountains.DCの来るべき新譜がとても楽しみだ。Phoebe Bridgersはここ数年で最も好きな女性アーティストだけれど、先般発売されたbeabadoobeeの新譜も素晴らしく良い。UKやUSのSSWの旨みを凝縮した声とメロディ。Girl Songというセンシティブで美しいメロディラインはまさにPhoebeを彷彿とさせる。clairo、girl in redはじめ、女性SSWが素晴らしい。ちなみにこの作品、プロデューサーは巨匠、リックルービン。
最近、やはりオルタナが面白い。