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私が冬山に登らない理由(山での遭難・滑落に思う)

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news.yahoo.co.jp

槍ヶ岳で遭難、一人が心肺停止、二人が倒れた状態で発見とのこと。非常に心配なニュース。

初春とはいえ、山は冬山でまだ普通に積雪もあります。

私は今まで冬山に挑戦したことがありません。なぜなら、私は長野県出身で高校卒業まで長野に住んでいましたが、毎年このGWの時期になると、ニュースで遭難、雪崩、滑落による死亡事故が取り上げられており、雪山=ヤバイという刷り込みがなされているからです。

東京に住んで長くなりますが、雪崩や遭難の山岳ニュースが表立って取り上げられることは殆どありません。長野県内のニュースでは頻繁にみられるのですが、おそらく県外から登る方々には耳馴染みのない、現実感の薄いニュースなのかもしれません。ニュースに出てくる被害者の方の多くが県外の方なような印象もあります。

ということで、私は小さい頃から冬山に対して畏敬の念を超えた、恐怖の念を覚えています。低山ならまだしも、槍ヶ岳という3000メートル級の山に厳冬期、あるいは厳冬を過ぎた時期に登ることは、命を落とす危険と常に隣り合わせであるということを忘れてはいけません。今回も天気が大荒れで、吹雪によるホワイトアウトで視界を奪われていたとのこと。

コロナ禍にあって登山、キャンプ、アウトドアブームが熱を帯びているようですが、冬山だけは本当に注意した方が良いなと改めて思い知らせれます。

「ココヘリ」という、ヘリコプターを呼べるサービスや山岳保険なども充実してきてはいるものの、ヘリが救助しにくる頃にはもう死んでいる可能性すらあります。

以前、私は盛夏の奥穂高岳において、強雨と吹きすさぶ突風によって泣く泣く小屋から引き返してきた経験があります。

三人パーティでしたが、穂高岳山荘を出てすぐの梯子で身体が煽られる気がしたので、その場で断念を決意。今考えれば英断でした。その日、奥穂高岳より先の前穂高岳で滑落の事故があったのです。

このブログでは登山の服装云々を気楽に語っていますが、そもそものマインドしては常に「山を敬う心」というか畏敬の念を忘れてはいけないと思っています。危険だと感じたらすぐに退散する度胸は、それより先へ進む覚悟よりもより優れている判断です。

これからも私は高山山岳地帯の冬山に登ることはないと思います。それは何より自分の命を死と隣り合わせに置く行為に他ならないからであり、妻や家族、会社にも迷惑と心配をただでさえかけてしまう行為だからです。

今登山ブームで女子だけのパーティで綺麗な冬山に登っているインスタの写真などを見かけます。それを止めるなとは言えないですが、くれぐれも安全な登山を祈るばかりです。しかしまたその魅力的な「インスタ映えする冬山写真」が、新たに冬山へ行きたいという思いにドライブを掛けてしまうのだろうなと思います。

見惚れるほど綺麗な冬山も、あるいは雪山ではなくとも、山には死への恐怖が常に隣り合わせになっています。

そのことを肝に銘じて登山を楽しみたいものですね。

 

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