get ready(30代男の物欲と服ログ)

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Knoll社/Marcel Breuer/Cesca Chair

数ヶ月前になりますが、Knoll社のマルセル・ブロイヤーがデザインした通称「チェスカチェア」を購入しました。

2017年に東京国立近代美術館でブロイヤー展が行われ、私も鑑賞しに行ったわけですが、私はバウハウスに兼ねてから関心があり、当時からブロイヤーの作品に憧れを抱いていました。

そもそもマルセルブロイヤーとはどのような人物なのでしょうか。

ブロイヤー(1901-1981)は建築家としても知られていますが、我々には家具デザイナーとしての顔の方がより馴染みがあるかと思います。ブロイヤーはドイツの造形学校、バウハウスに1920年に入学し、バウハウスの理念である「芸術と工業の統合」をおそらく最も具体的な形で実践し、デザインとして牽引したのでした。

それまでの椅子といえば、木材を使った重々しいイメージでしたが、彼の発明したスチールパイプのカンチレバー構造の椅子は、まるで宙に浮いているかのようなイメージさえ与えます。このデザインはオランダ人建築家のマルト・シュタムが最初に発明し、その後ミースファンデルローエも同様のスチールパイプ椅子を作成しており、その後にブロイヤーがこの「B32」と呼ばれる椅子を完成させたようです(諸説あり)。

「チェスカ」という愛称は、ブロイヤーの娘「フランチェスカ」から取られたようで、「B32」というのはブロイヤーの正式な製造番号のようなものでしょう。現在はトーネット社とノル社から正規品が販売されております。他のデザイナーズ家具がそうであるように、このチェスカチェアもいわゆる「リプロダクト」と呼ばれるものも多いです。私にしてみれば「リプロダクト」というのは言い換えれば「模造品」であり、ルイヴィトンのパチモン、と本質的には変わらないと思っています。やはり自分としてはブロイヤーへの畏敬の念も込めて正規品で購入したいし、その方が気持ち良いので、Knoll社製の購入を決意したのでした。

スチールパイプの艶感が素晴らしい

ラタン部分。機械式と手編みがあるが、機械式を選択。

抜け感があります

色々と書きましたが、とにかく見た目がかっこいいのと、意外にも座り心地が良い。

ベージュのラタン(籐編み)部分は、ほどよい弾みと通気性があり、加えてスチールパイプが微かにしなるので座っていて快適です。

見てよし、座ってよし。

あと椅子自体は結構重いのですが、見た目の脚が2本なので空間に抜け感が生まれます。見た感じは軽やかに思いませんか?

ラタン部分も空間が透けるので抜け感が出る。総合的にインテリアの邪魔をしない、でも程よく主張してくれる。たかが椅子、されど椅子。椅子ひとつが違うだけで、部屋の雰囲気もガラッと変わります。余裕があればもう1脚買おうかな、と思ってしまうほど、この椅子に惚れて込んでいます。毎日座るのが楽しみな椅子です。

我が家の猫も、とてもお気に入りの模様