get ready(30代男の物欲と服ログ)

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安西先生の名言から考える仕事に着ていく服装

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男がクラシックを装うとき、スーツ以上にかしこまったスタイルは存在しないでしょう。

私もコロナ禍以降、スーチングスタイルにハマり仕事で毎日着ていましたが、最近の仕事着は実験的にジャケパンやシャツ×ベストスタイルを取り入れておりました。結構なんでも良いんですよ、うちの職場は。でも中間管理職的な立ち位置になってきたっぽいので、やはり襟付きとかが望ましくなってきて。で今後、仕事上対外的なお客さんに会う機会が増えるということもあり、スーツを着る機会も増えてきそうな予感がしています。

ここで私のブログを貫く命題が2点あります。つまり

①「スーツをどれだけ崩してオフィスワークスタイルを構築することが可能か」

②「そのスタイルを休日もすることが可能か」

というものです。実はこの2点は、ヘーゲルが弁証法で止揚できないほどむずい。そして私が考えるに、アイビースタイルやプレッピーは「学生服」だが、まさにそれらの学生スタイルは「スーツ=大人未満」の折衷案として要請されうるスタイルである、と感じています。学生における大人への憧憬、としてのアイビー。

最近スーツを着て仕事をして改めて気付かされるのが、ドレススタイルのため、誰と会っても恥ずかしくない、というメリットです。

チノにオックスフォードシャツにニットだと、どこか何か気恥ずかしいシーンがある。職場も皆さんそれぞれだと思いますが、先述した通りアラフォーになると職場内のみならず対外的なシチュエーションが増えてきました。その時にスーツを着ていると、とりあえず安心できます。「自分の格好は恥ずかしくないだろうか」とか余計な悩みを抱えることもありません。

畢竟、洋服とは他者のために要請されるもの。自分しかいないのなら、スウェット上下で問題ない。しかしTPO、社会的な取引や信頼を得るためにはそれなりの規律=コードに従属する必要があり、そこでは過剰な個性は必要ありません。ここで安西先生の言葉を持って来れば「お前のためにチームがあるんじゃねえ、チームのためにお前がいるんだ」ということ。これは、個性的なものを忌避し、あえて没個性化することにより団結や調和を重視する思考と言えます。スーツや制服、というのも同じ思想によってデザインされたものと言えるでしょう。だからこそ仕事における服は「制服」という形式で統一されたものが多い。そこに個性は要請されないのです。事実、僕も統制されたもの、への美学を感じます。スーツでいる、ということは、まず「恥ずかしくない」格好なのであり、「浮かない」格好でもあるのです。外見を浮かせる必要は、僕の仕事では必要ありません。無論美容師、アパレル店員など外見の個性を強く求められる職種もあるでしょう。

プレッピーやアイビーもさることながら、このコロナ禍で「スーツ離れ」が進んだ今、バックラッシュとしてスーツが流行ることもなく下火になっていると感じます。というよりも、ファッション業界全体的に何か熱っぽいものがなくなってきているというか。

ネクタイのディンプルを作って首に締める所作は、スーツやジャケットスタイル以外では得れぬ愉悦があります。身も引き締まります。スーツという決められたコードの中で、どのようにその規律ギリギリを攻めていくのか。例えばクレリックシャツやペイズリーのネクタイ、ローファー、スエードのベルト…おそらくそのスーツの規律の中にも「あそび」は無限に含まれているでしょう。今後はアイビーやカントリーのみならず、COMOLIのみならず、スーチングも同時に模索・探求していきたい所存です。