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XGというHIPHOP/R&Bグループを熱く語りたい

 

XGというグループをご存知でしょうか。日本人女性7人のヒップホップ/R&Bグループです。SIMON JAKOPSさんという、韓国人アーティスト(日本人とのハーフ)がavexと共同で手掛けたプロジェクト「 XGALX(エックスギャラクシー」にて、彼女たちは5年間訓練、オーディションを重ねてきました。日本人ですが、全て英語で歌う(ラップする)ので、「この子たち日本人?」て思う方も多いと思います。日本ではまだそこまで認知されておらず、TVやメディアに載ることが少ないのですが、世界的に見るとHeads in the cloudなどNYやLA、タイ、シンガポール、アブダビなど世界でライブをしており、まず日本より世界にその素晴らしさが認知されているようです。

その XGの凄さは見ていただければ分かるのですが、まずアーティストとしての強さ。アーティシズムが圧倒的に高い、深い。世界観が他に類を見ず、既存のJ-POPやK-POPでも括ることができず、彼女たちはX-POPと称しています。敢えて比較するのであれば、現行のR&B、 HIPHOPやY2Kとの親和性が高く、彼女たちの影響を受けた音楽もY2KのR&B、HIPHOPが真っ先に挙がります。Apple musicに上がっているXGの「 SUMMER TIME PLAYLIST」を眺めると、SZA,KAYTRANADAからローリンヒル、ブルーノマーズ、アンダーソンパーク、アヴリルラヴィーン、2Pacなど私も好きなアーティストがずらり。そう、 XGは何よりもまずブラックミュージックに深い影響を受けていて、それを現代の音楽として、彼女たちの表現として強く打ち出しています。

直近の「NEW DNA」では韓国で現在ナンバーワンの映像作家チョ・ギソク氏がメインビジュアルとPVを手掛けています。個人的にはブレードランナーやAKIRA、MATRIXなどのサイバーパンクに相当強い影響を受けた世界観を直近では展開しており、SF-サイバーパンク好きな私としても刺さりまくっています。

私はデビュー直前にTippy Toeというデビューシングルを聴いて、その白と黒のミニマルな世界観、彼女たちのビジュアル、冷ややかながらボトムの効いたビートメイキングにハマってしまいました。このような完璧な世界観の構築は私が深く愛しているThe xxのそれに通底するものさえ感じてしまいます。


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そこからまた180度世界観を変え、ダイナミックかつキラキラとしたMASCALAへ。これもTRAPも感じさせる完全にHIPHOPなDOPEなビートメイキング。 XGのHPには

"しなやかな強さ" / "団結力" / "絆" 。その頑固たるプライドを「絶対に、誰にも私のマスカラを汚させない!(誰にも泣かされない)」というメッセージに投影した。
瑞々しくもパワフルで、XGの気迫と存在感を感じられる一曲。

と書かれていますが、まさにその通りの迫力がある一曲。


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あとこの時点で言っておくと、ガチで XGの曲のクオリティが高すぎます。全ての曲が違った方向でどれも異彩を放っています。そして2023年の初頭に出たヤバイのが

「 SHOOTING STAR/LEFT RIGHT」です。完全にやられました。のめり込み、震えました。ちなみに私の2023年の再生ランキング1位はこのLEFT RIGHT、2位はSHOOTING STAR。


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JURINのラップから始まるのですが、もうラップパートもゴリゴリで、尚且つヴォーカルJURIA、CHISAの宇宙に誘われる歌声の妙。

 


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そしてLEFT RIGHT、こういう曲を待ってたんだよ。日本人の女性グループでこういう質感の曲、なかったでしょう。まずPVのビジュアルもやばい。完全にY2Kで、懐かしいんだわ。 W-indsのTry your emotionとか、2000年代初頭ってこういうスペースエイジっぽい感じのPVとか衣装とか流行ってたよね。New Jeansもそっち系のゆる系の服装なんだけど、 XGはよりスパイシーで派手。派手。でもまったく服に負けてない。彼女たちの存在が世界観とイーブンなんですよね。

LEFT RIGHT、略してレフライ、是非聴いていただきたいです。音質がべらぼうに良い。耳が心地いい。メアリーJブライジとか、そんへんの影響もあるのかな。とにかく初期のR&B全開な宇多田ヒカルや倉木麻衣が大好物な私には刺さりまくって、いまだに毎日聴いてしまう。誰かに指示されたりすることなく、右左、右往左往しないように自分で決めた道を歩む決意「the only direction I know」が込められている点もエモい。そしてコレオグラフィーも最高。コレオを手掛けているSienna LalauさんはBTSのコレオも手がけるヒップホップダンサーであり、XGには欠かせないダンサー。

 

今年9月末に新EP「NEW DNA」発売。そして遂に昨日、彼女たちの初ワンマンショーケースでした。私は年間会員のファンクラブ=ALPHAZなのですが、全ての先行抽選に落選。しかしCDも買っていましたので配信ライブで妻と参戦しました。どうやら20万以上の応募があった模様。もうドーム規模だよね。

ライブ、配信だし一言で言うことはできないのですが、物凄いクオリティの高さが画面越しに伝わってきました。痺れる重低音とマイク。ピッチも狂わず、コレオもパーフェクトで美しい。XGはアスリートようだと形容されることもあるけど、本当に贅肉を削ぎ落としたボクサーのように研ぎ澄まされている瞬間もあるし、ナイーブで繊細な表現もできるんですよね。

NEW DANCEという曲でなぜか涙が...この5年間、彼女たちがどんな辛い思いをしてきたのか、Youtubeで韓国での5年間を追ったドキュメンタリーも通して見ていた私にとっては、彼女たちが1万人をこえる、世界から集まった自分達のファンの前でライブをしている姿に堪えきれなかったです。5年ですよ、 NiziUとか華々しいデビューを飾っても、彼女たちは石の上にも5年、臥薪嘗胆、爪を研いでいたわけです。腐っていたわけではありません。自分達の大好きな音楽をただ続けていくこと、その高いクオリティを担保し続けていくこと、その結果見てください、超一流の映像作家やコレオグラファーが XGの虜になっているんです。世界の耳目を集めています。

そしてライブ後にワールドツアーが発表になりました。結成1年にしてワールドツアーを行える日本人のグループが、未だかつてあったでしょうか。もう日本の音楽番組とかメディアとか、媚を売る必要は全くない。自分達らしく、自分達の好きなように世界でカマしまくってほしいし、そのメンタルや姿勢はすでに彼女たちに備わっています(誰)。いや、何よりも僕が彼女たちにとても勇気づけられて、元気をもらっているんです。今までレディオヘッドやxxなど内向的なUKサウンドばかり好んで聴いてきた僕が、女性アーティストの結構ガチな有料ファンクラブに入ること自体もびっくりなのですが、何ようもそうさせてしまう音楽の力ってすげー。

すごいグループなんです。ただ、一般ウケするかどうかはわかりません。刺さる人に刺さればいいんだと思います。

SIMONさんのプロデュース力の強度は間違いないクールなものだし、 XGもそれを信頼している。それは僕が同時に応援しているSKY-HIがプロデュースしたBE:FIRSTにも全く同じことが言える。プロデューサーを離れて、自分達がやりたい音楽をやる、言いたい言葉をラップでスピットする。

大丈夫、 XGやBE:FIRSTがいる。R&BもHIPHOPも、世界でこんなにスタンダードになってるのに、まだ浸透しきれない日本になんかもどかしさは感じているのですが、徐々に変わってきつつありますよね。日本の音楽はまだまだこれから。未来は彼女たちの手の中。

 

昨日出たX-GENEのPV.ビートタイプ、ドリルなんですよ。ドリルのビートに乗れるラッパーなんですよ。普通に。そしてコンテンポラリーなコレオ。昨日のライブでも五条悟ばりに領域展開していてぶっ飛びました。これ、ゴリゴリのヒップホップ好きも頷くクオリティですよ。ぜひ爆音で聴いて、見ていただきたいです。


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